絵本の読み聞かせは子どもの心の栄養と言われています。絵本には子どもの成長を促すエッセンスが豊富に含まれています。
実は読み聞かせって大人にも良い効果があるの、知ってた?
読み聞かせが子どもと大人にもたらすメリットをまとめたよぅ
後半には、パートナーである子どもの特性をふまえ、穏やかな気持ちで読み聞かせを進めるためのコツを伝えます。ぜひ参考にしてください。
読み聞かせがもたらす3つのプラス効果
安定した情緒を作る
まず、読み聞かせは大人と子どもの安定した情緒を育みます。
信頼感や安心感で満たされた時間を共有することで、「自分には居場所がある」という自己肯定感が生まれるのです。情緒を安定させる行為というと、難しく思われるかもしれません。しかし、絵本の力を借りることで「一緒に本を読む」という明確な行動が示されます。
読み聞かせの時間は子どもにとって、自分のためだけの時間です。親子であれば「パパやママが忙しいのに時間作ってくれた!」と子どもの中に大きな喜びを生みます。同じく、親にとっても「忙しいのに、読み聞かせができた!」という自信に繋がります。
読み聞かせが親子に満たされた時間を作る事実は、東北大学の研究でも明らかになりました。読み聞かせをすることで「子どもの行動に対して母親が感じるストレスが減っている」「読み聞かせの時間が多いほど、母親の子育てストレスが低くなる」という結果が出たのです。
【参考 東洋経済オンライン:「本の読み聞かせ」が親子共に効果絶大な根拠 東北大学加齢医学研究所】
子どもの能力を高め、生活を円滑にする
読み聞かせで得る能力は生きていく力です。それは主に言語能力と思考力、集中力、記憶力です。子どもの能力が向上することで、問題行動が減り、生活がスムーズになります。加えて、大人に近い思考をするようになり、コミニュケーションが円滑になります。
1歳頃の子どもは絵本を通して、物の名前を知ります。4歳頃になると、感情の表現を覚えることで、自分の気持ちを整理することができます。
言語能力の向上によって、意思疎通の質が上がります。さらに、身につけた言葉たちを繋げて構築する思考力も高まり、物事の関連性を整理して考えるようになるのです。
読み聞かせをじっと座って聞いている間に発揮される集中力は、食卓や遊びの中に活用されます。絵本の言い回しを声に出す行為は、楽しみながら行う記憶力のトレーニングです。約束事などを覚えるために必要な力が身につきます。
絵本の追体験が日常を豊かにする
読者は想像力を使って、絵本の登場人物の追体験をしています。絵本の中に広がる世界に触れることで、生活をワンランク豊かにできるのです。
絵本では多くの題材に身近な物が使われています。そして、その知識は易しい言葉でシンプルに書かれています。道端の草花や食べ物、生活でのトラブル。実際にそれらと出会った時には、絵本を足掛かりとして、より興味深く向き合うことができます。また、比較対象があることで、客観的に物事を捉えることができるのです。
絵本の世界での体験の分かち合いは、読み手と子どもの関係を深めます。物語には怖いお化けや大きな怪物が登場します。しかし、その時、子どもは一人ではありません。読み手という仲間の存在を心強く感じるでしょう。何より絵本の中にある大きな歓びを分かち合い、楽しさを共有することができます。読み手と子どもは良きパートナーになれるのです。
さらに、絵本の体験には家事や育児、仕事で疲れた心を癒やす力があります。美しい絵やテンポの良い言い回しで描かれた絵本は、歓びの感性を高めます。たった5分でも心を動かすことで、気分の切り替えができるのです。
年齢別 読み聞かせのコツ
読み聞かせのパートナーである子どもは、自由な存在です。大人の思うように読み聞かせが進まないこともあるでしょう。大人が達成感を得るための、スムーズな読み聞かせ方と本の選び方を年齢ごとにまとめました。子どもの行動の理由と特性もぜひ参考にしてください。
0〜1歳と読み聞かせ
子どもは産まれた時から、感受性を精一杯使って、大人から与えられる物を受け取ろうとしています。しかし、生後すぐの視力は0.02〜0.05と言われています。そこから赤色を始めとして、だんだん色を識別していきます。
初めての絵本は「だるまさんが」や「なーんだなんだ」など、はっきりした色の絵本を選ぶと、追視が進みます。また、オノマトペ(擬音語、擬態語など)のある「がたんごとんがたごとん」「じゃあじゃあびりびり」は、赤ちゃんが興味を持ちやすい絵本です。
大人のストレスを減らす読み聞かせのコツは、子どものペースで絵本を楽しむことです。
文章をしっかり読むより、コミニュケーションに重きをおくと良いでしょう。特に1歳児は「これはなんだろう?」と好奇心で読みを止めたり、ページをわっとめくったり、主体的に動きます。しかし、そんな中でも読み手が自分に優しく話しかけている心地よさを、ちゃんと感じています。
2〜3歳と読み聞かせ
2〜3歳頃は絵本の好みがはっきりしてきます。動物の好きな子どもなら、薮内正幸さんの本。乗り物の好きな子どもなら、山本忠敬さんの本など、好きなものを取り入れることで、絵本に向き合いやすくなります。
読み聞かせを最後まで聞いて欲しい時には、抑揚をつけ、キャラクターになりきって読みましょう。読み手の楽しさが伝わると、子どもは応えてくれます。「ねずみくんのチョッキ」や「さんびきのやぎのがらがらどん」など、エピソードが繰り返されるお話もぜひ読んでください。子どもの理解が深まり、集中が途切れにくいです。
また、2〜3歳は同じ本の読み聞かせを何度もせがむ年齢です。大人はうんざりするかもしれません。しかし、子どもにも理由があります。自分の記憶した同じ所にちゃんと同じ絵があることが嬉しく、繰り返し確かめたいのです。徹底的に付き合う、または、3回読んだらおしまいなど家庭内でルールを設けて対応しましょう。
4〜6歳と読み聞かせ
4歳〜6歳は本に向き合う姿勢ができ、長いお話が聞けるようになります。子どもの好みの本だけではなく、ぜひ、読み手がおすすめしたい絵本も選んでください。文字は徐々に読めるようになります。しかし、読み聞かせは続けましょう。
「読める文章」と「理解したい文章」に大きな差があります。仮名を拾うように読むので、それに集中して内容が頭に入らず、疲れてしまうのです。
まとめ
読み聞かせによるメリットは3つあります。
1つ目は、絵本を通したコミニュケーションを作り、信頼関係を深め、情緒を安定させること。
2つ目は、子どもの能力を向上させ、大人の負担を減少させること。
3つ目は、絵本の中に広がる世界を通して日常生活を豊かにすることです。
短時間で完結する読み聞かせは、生活の中に手軽に取り入れられるよ。
ぜひ、読み聞かせの時間を作ってみてね〜★☆★
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