ねーねー
『うそ』ついたことある?
ないよ!
ヨミィは今までに一度もうそなんてついたことないよ☆
それがもはやうそだね☆
「うそついちゃだめでしょ!」
幼い頃にそう叱られたり、そう言ってお子さんを叱ったりといった経験を皆さんされていると思います。
でもうそにも『いろんなうそ』があるって、なかなか説明しにくいですよね。
今回は「うそ」について親子で考えるきっかけになるような絵本を5冊ご紹介します。
親子で作品を読みながら「うそ」とどう付き合っていくのか、その答えを探してみてください。
うそ
作:中川ひろたか
絵:ミロコマチコ
出版社名:金の星社
対象年齢:3歳〜
● 内容・あらすじ
「うそはいけないことだって言うけど、世の中にはいろんなうそがあるよね?」
そんな子ども目線での疑問を軸に「うそ」について考える哲学絵本です。
日常の中にも童話の中にもうそはあるし、大人も子どももうそをつく。
「うそ」って一体何なのでしょうか?
最初は迫力のある表紙に戸惑ってしまいましたが、読み始めたら最後までうなずきが止まらない作品でした。
迫力満点の絵とともに投げかけられる疑問はどれももっともで、大人が読んでも考えさせられる作品だと思います。
● おすすめポイント
*一度見たら忘れられない!迫力のある力強いタッチの絵
思わずたじろいでしまうようなインパクトのある力強い絵で、「うそ」にまつわるさまざまなシチュエーションを描いています。
どのページも一度見ただけで強く印象づけられ、「うそ」に対する疑問も心に残ります。
*子ども視点の自然な文体が読みやすい!
子どもが心の中で世の中に問いかけているような、自然な文体でつづられる文章はとても読みやすいです。
子どもが一人で読む際にも思考の邪魔にならず、考えを深めやすい構成になっています。
*「うそ」の不思議に気づき始めたお子さんと一緒に読みたい哲学絵本
大人は子どもにうそをついてほしくないと思っていますが、大人自身はうそを上手に使って生きています。
そのことに気づき、疑問を持ち始めたお子さんとぜひ一緒にこの絵本を開いてください。
一緒に答えを探すよいきっかけになるでしょう。
ゆっくとすっく うそはちくちく
作:たかてら かよ
絵:さこ ももみ
出版社:ひかりのくに
対象年齢:2歳〜
● 内容・あらすじ
仲良しのゆっくとすっくが二人で遊んでいたら、ドスン!と大きな音がしました。
音のしたほうへ行ってみると、おさるさんから、友だちのぺろりが木から落ちて大けがをしたと聞かされます。
大慌ての二人ですが、実は本当にけがをしたのは・・・。
小さなお子さんに「うそ」について説明する際にうってつけの一冊です。
登場するキャラクターがかわいらしく、お子さんも抵抗なく手に取りやすい絵本だと思います。
シリーズものですがキャラクターの説明もきちんとついているので、どの作品から読んでもOKというのもうれしいポイントです。
● おすすめポイント
*アニメーションのような親しみやすい絵で描かれる世界
アニメーションに登場するような、かわいらしいキャラクターが織りなすファンタジーな世界は、小さなお子さんにも親しみやすいと思います。
キャラクターの名前もかわいいので、名前を覚えながら楽しむのもよいでしょう。
*小さなお子さんでも飽きないショートストーリー
短めのストーリーにまとめられていて、小さなお子さんも飽きずに最後まで楽しめます。
薄く小さめの本なので、病院の待ち時間などにも読みやすい絵本です。
*「うそ」をついたときの気持ちをシンプルに教えてくれる絵本
難しい言葉は使わないシンプルな内容も魅力の絵本です。
「うそ」を言ってしまったときのうしろめたさを「ちくちく」という感覚的な言葉で表し、小さなお子さんにもイメージしやすい工夫がされています。
お子さんが感情を表現できるようになっていく過程でも、参考になる一冊だと思います。
うそついちゃった ねずみくん
作:なかえよしを
絵:上野紀子
出版社:ポプラ社
対象年齢:3歳~
● 内容・あらすじ
ねずみくんと仲良しのねみちゃんが、みんなのためにケーキを作ろうとお買い物をしています。
それを見て、「どうせ自分は招待されない」と拗ねてしまったきつねくん。
ねずみくんに「ねみちゃんが大けがをした」とうそをついてからかうのですが、思わぬ展開になってしまい・・・。
「ねずみくん」シリーズは、読むとどこか安心感を覚えるおなじみのシリーズです。
人間味のあるキャラクターたちは、小さなお子さんにとっても親しみやすいのではないでしょうか。
「うそ」がテーマではありますが、ほのぼのとしたストーリー展開も楽しめる絵本です。
● おすすめポイント
*やさしいタッチで描かれる、表情豊かなねずみくんと仲間たち
淡いグレーと赤というシンプルな色づかいと、やさしいタッチの絵で表現された、温かみのあるねずみくんと仲間の動物たち。
背景はほぼ描かれないシンプルな構成で、表情豊かなキャラクターが引き立ちます。
*文章はセリフが中心!マンガのようにすらすら読める
ナレーション的な文章はなく、キャラクターたちのセリフによって物語が進んでいきます。
読んでいる感覚はまるでマンガのようで、その読みやすさも魅力の一つです。
*「人を傷つけるうそ」について考えたいときにおすすめの絵本
この絵本は「人を傷つけるうそ」について考えさせてくれます。
今回きつねくんがついたうそは、悪意から出た人を傷つけるうそでした。
人を傷つけるうそはうそをついた本人も含め、誰も幸せにしないことをやんわりと教えてくれる一冊です。
うそつきマルタさん
作:おおのこうへい
出版社:教育画劇
対象年齢:3歳〜
● 内容・あらすじ
おしゃべりな丸太小屋のマルタさんは作り話がとっても上手。
「ぼく」と「いもうと」は、いつも奇想天外な作り話を楽しんでいました。
だけどある日、マルタさんのばかばかしい作り話にうんざりした「ぼく」は、ついマルタさんに怒鳴ってしまいます。
果たしてマルタさんは、本当にうそつきだったのでしょうか?
表紙のほのぼの感に、いい意味ですっかり騙されてしまいました!
前半と後半でストーリーにメリハリが効いていて、読み聞かせも楽しいお話だと思います。
ファンタジーやSFに興味を持ち始めたお子さんにおすすめしたい一冊です。
● おすすめポイント
*どことなく劇画調な絵にどんどん引き込まれる!
物語が進めば進むほど、絵の力に圧倒される絵本です。
かわいらしさもありながら、どことなく劇画調なそのタッチに、子どもたちだけでなく大人も引き込まれてしまうでしょう!
*「思ってたのと違う!」意外な展開に驚かされる
物語は後半、意外な方向へ舵を切ることになります。
ある程度オチを予測していた大人たちも、その展開に驚かされるのではないでしょうか。
ぜひお子さんと一緒に意外な展開を楽しんで読み進めてください!
*「うそつき」のレッテルについて、考えさせられる作品
一度うそをついただけで、「あの子はうそつき」というレッテルを貼られてしまうことがあります。
でも、その子の言うことって全部うそなのでしょうか?
作中に教訓めいたところはほぼありませんが、人を簡単に決めつけてしまわないほうがいいと、気づかせてくれる絵本です。
ブルーカンガルーがやったのよ!
作:エマ・チチェスター・クラーク
訳:まつかわまゆみ
出版社:評論社
対象年齢:3歳〜
● 内容・あらすじ
リリーとぬいぐるみのブルーカンガルーはとっても仲良し。
だけど、リリーはママに怒られるととっさに「ブルーカンガルーがやった」とうそをついてしまいます。
そんなリリーの態度に怒ったママは、ブルーカンガルーを取り上げてしまうのですが・・・。
悪いことをしてしまったときの子ども心が、リリーのセリフや表情からよく伝わってきます。
文章は少なめなので、文字を読めるようになったお子さんのひとり読みにもピッタリの作品です。
ブルーカンガルーとリリーの関係が素敵で、シリーズの他の作品も読んでみたくなりました!
● おすすめポイント
*奥行きを感じる絵で描かれる鮮やかな世界
鮮やかな色彩でイキイキと描かれるリリーとブルーカンガルーの日常は、眺めているだけでウキウキしてきます。
絶妙な影の描き方なども絵に奥行きを与え、絵本の世界をリアルに感じられます。
*自分でも欲しくなる!ぬいぐるみブルーカンガルー
ブルーカンガルーはぬいぐるみですが、自分の意思を持ち、実は自由に動くこともできます。
いつも心配そうにリリーを見守り、濡れ衣を着せられても気にしません。
こんな相棒がいたら心強いだろうなと、リリーとブルーカンガルーの関係をうらやましく思う子も多いかもしれませんね。
*「悪いことをごまかすためのうそ」について親子で考えよう!
この絵本で描かれるうそは「悪いことをごまかすためのうそ」です。
ぬいぐるみのせいにするというのはかわいらしいですが、反省しないという点を大人としては見過ごせません。絵本の中のリリーとブルーカンガルーの行動を比較して、お子さんと一緒にどうするのがいいのかを考えてみてください。
今回は「うそ」がテーマの絵本をご紹介しました。
『うそにはいろんなうそがある』
大人は経験から知っていることですが、お子さんに伝えるのはなかなか難しいことですよね。
そんなときは絵本を間に挟み、お子さんと一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
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