節分の日に読みたい!『鬼』が出てくるおすすめ絵本10選

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ヨミィ
ヨミィ

2月3日は節分だねぇ。
節分は「鬼はそと!福はうち!」って豆まきをする日だよね。

ネミィ
ネミィ

『鬼』っていうのは厄や災難のことで
お祓いして福を呼び込んでいるんだよ。

ヨミィ
ヨミィ

保育園や幼稚園では先生たちが鬼に扮して
豆まきしているのを見かけるよね。

 

ネミィ
ネミィ

泣いちゃう子もいるよね。

先生たちの迫力もすごいからね。

この記事では「節分と鬼をテーマにした絵本」を紹介します。

優しい鬼と友だちになるお話、恐ろしい鬼を退治するお話など、子どもを勇気づけるような10冊の絵本を集めました。

ぜひ、節分の時期に読んでください。

おには うち!

作者   中川 ひろたか
絵    村上 康成
出版社  童心社
対象年齢 3歳〜

内容・あらすじ*

園庭に現れる帽子をかぶった男の子、におくん。
どうやら、みんなと一緒に遊びたいようです。園の子どもたちと先生はみんなで野球をすることにしました。
すると、におくんはホームランを高くジャンプしてキャッチ!
人並み外れた運動神経の良さを見せます。

次の打席に立ったバッターは、手を滑らせてしまいます。
空高く上がったバットは、園長先生をめがけて一直線!その時、におくんが園長先生をかばいます。

におくんを抱きしめてお礼をいう園長先生。その時、におくんの帽子が外れて小さなツノがのぞきます。

さて、今日は園の豆まきの日。

におくんは、園の子どもたちと仲良くなれるのでしょうか?

感想・おすすめポイント

におくんの正体は鬼の子どもです。鬼を逆さにして『にお』です。

におくんは「鬼は嫌われる」という不安から名前を偽り、角を帽子で隠しました。
それでも「一緒に遊びたい!」と勇気を振り絞る健気な姿を見せます。

におくんは、強くて優しい鬼でした。
そして「鬼は悪」という先入観に捕らわれず、そのままを受け入れてくれる存在に出会います。

子どもたちはにおくんを通して、ありのままの自分を認めてもらう経験をするのではないでしょうか?

タイトルである「おにはうち!」の言葉は、読者の心も温かく照らすことでしょう。

おにはそと!ふくはうち!

作者   いもと ようこ
出版社  金の星社
対象年齢 3歳〜

内容・あらすじ

昔々、日照りで稲が実らず困っている村がありました。
村に住む母親は、突然現れたオニに「雨を降らせてくれたら娘の『おふく』を嫁にやる」と、つい約束してしまいます。

やがて本当に雨が降り出すのですが・・・。

さてさておふくは一体どうなってしまうのでしょうか。

感想・おすすめポイント*

・「節分に豆をまく」その理由を学べる昔話
「節分に豆をまく」という風習の由来は諸説ありますが、この絵本ではその由来の一つとなった昔話を楽しめます。
複雑なところのないシンプルなお話で、小さいお子さんへの説明用にもぴったりです。

・オニだけどカワイイ!優しいタッチの絵で描かれるお話
 昔話のオニというと、迫力のある絵で力強く表現されているものが多いですよね。
そんな中この絵本のオニは、「どこか愛嬌のあるかわいい絵」で描かれています。
オニを怖がるお子さんも安心して読める一冊です。

・大人も考えさせられる!母親の「神対応」?
 終盤で登場する、豆まきの由来となった母親の「神対応」ですが、少し複雑な気持ちになる内容でもあります。
お子さんと一緒に読んで、お互いにどう感じるか話し合ってみるのもよいのではないでしょうか。

すべてのシーンがシンプルな絵で描かれていて、小さなお子さんでも展開についていきやすい構成です。

また、昔話の読みやすい文章なので、文字を覚えたてのお子さんのひとり読みにもぴったりの絵本だと思います。

それからのおにがしま

作者   川崎 洋 
絵    国松 エリカ
出版社  岩崎書店
対象年齢 3歳〜

*内容・あらすじ*

桃太郎がオニを退治して、めでたしめでたし・・・
ですが、鬼ヶ島にとっては全くめでたくありません!!

戦いでケガをしたオニたちの手当てなどで大忙しです。
やがて時がたち、人間たちとの交流も始まりますが・・・。

戦いの後の鬼ヶ島を描いた、長い長い物語です。

*感想・おすすめポイント*

・色鮮やかに描かれた鬼ヶ島と表情豊かなキャラクター
 戦いに敗れた鬼ヶ島ですが、その光景は明るく鮮やかな色彩で表現されています。
登場するオニや人間たちも表情豊かに描かれていて、ページをめくるのが楽しくなる絵本です。

・なんとびっくり!節分シーンも登場
 鬼ヶ島ではタブーであるはずの「節分の日」のひとコマも登場します。
でも、豆まきのかけ声は耳慣れたものとは違うようです。鬼ヶ島ならではのそのかけ声にぜひ注目してみてください。

・昔ばなしをベースに描かれる「戦争」への思い
 このお話はいわゆる「戦後」の世界を描いた物語です。「戦場」となった鬼ヶ島の復興や「敵」だった人間との関わりなど、考えさせられる内容も盛り込まれています。
お子さんと一緒に読みながら、「戦争」について考えてみてはいかがでしょうか。

色鮮やかな絵を見ているだけでもおもしろく、文字の読めない小さなお子さんとも楽しめると思います。また、さまざまなことを考えさせられるストーリーで、大きなお子さんや大人の読み物としてもおすすめできる一冊です。

おにぎりがしま

作者   やぎ たみこ
出版社  ブロンズ新社
対象年齢 3歳〜

*内容・あらすじ*

おにぎりが評判になり、往来するお客との交流が生まれます。
人魚が昆布や海苔を、河童が野菜の苗を、天狗が梅の木を、山姥が紫蘇の種をくれて、新しい具が増えました。

そして、いつしか、おにぎりおにの住む島は「おにぎりがしま」と呼ばれるようになりましたとさ。

*感想・おすすめポイント*

おにぎりおにとの出会いをきっかけに、広がるこたろうの世界が、細緻に書き込まれています。
昔話を詰め合わせたような楽しい世界です。

まず、何もなかった無人島には田んぼや釜ができます。
そして、お客として人魚や河童など架空の生き物との交流が生まれ、こたろうの表情が豊かになっていきます。

関係の広がりを象徴する26種類の不思議なおにぎりの中から、お気に入りを探すのもおすすめの楽しみ方です。

おにぎりおにのマスコットキャラクターのような可愛らしさも作品の魅力です。

おにぎりおには鳥を操り、竜巻を起こし、カミナリを丸めて小さなおひさまを作ります。
とんでもないことを軽々とやってのける姿には、気持ち良さを感じます。

おにぎりおにの歌う「おにぎりつくろ」は、ぜひ節をつけて楽しく読んでくださいね!

まゆとおに―やまんばのむすめ まゆのおはなし

作    富安 陽子
絵    降矢 なな
出版社  福音館書店
対象年齢 3歳〜

*内容・あらすじ*

ある日、山姥の娘まゆは鬼に出会います。

おなかをすかせた鬼は、まゆを大鍋で煮て食べようとします。

なにも知らない親切なまゆは、自慢の怪力で鬼を手伝い始めてしまうのです。
松の木を引っこ抜いて薪の山を作り、鬼の岩屋の壁を蹴っ飛ばしてかまどの石を積みました。

そして、鬼が火にかけた鍋はついに、ぐらぐらと沸き返りました。

果たして、まゆの運命は!?

*感想・おすすめポイント*

この絵本の一番の魅力は、生き生きとしたキャラクターです。

登場人物はみな、迫力のある姿で描かれています。
そのため、子どものまゆが無邪気に大きな鬼をやっつける話運びが、コミカルで痛快です。
懲らしめるだけではなく、まゆの優しさが鬼を助ける和解の作品であることも、強調されています。

主人公の山姥の娘のまゆは、身近にいるような活発で天真爛漫な女の子です。
山姥のイメージと正反対の親しみやすいキャラクターとして描かれています。
純粋、無邪気、優しい、と三拍子揃った性格で、物怖じすることを知りません。

対して、登場したばかりの鬼は、子どものイメージする怖い鬼そのものです。
ぎらぎら光る目玉に地響きのような声をもった大男は、まゆを騙して食べようとします。

しかし、ページをめくるごとに、豊かな表情と動きが憎めない存在になっていきます。
内股になって震えがる鬼の様子からは「ひゃあ〜」「とほほ」と情けない悲鳴が聞こえてきそうです。

まゆの魅力的なキャラクターは活躍を広げ、現在「まゆのおはなしシリーズ」として6作品が展開されています。
こちらも合わせて楽しんでくださいね。

せつぶんのひのおにいっか

作者   青山 友美
出版社  講談社
対象年齢 3歳〜

*内容・あらすじ*

ここはとある人間のおうちです。
この家には人間の目には見えない「おにいっか」も一緒に暮らしています。

明日は節分という日の夜、おにとうさんとおにかあさんは、あわててなにやら準備を始めましたよ。

節分の日、オニの一家は一体どんなふうに過ごすのでしょうか。

*感想・おすすめポイント*

・「おにいっか」のきままな暮らしぶりにほっこり
 前半では、「おにいっか」の人間界での平和できままな暮らしぶりが描かれます。
愛嬌たっぷりの絵と相まって、オニたちに親近感が湧いてくる作品です。

・節分の日に豆をまくとやってくるものって?
 節分といえば、オニを追い出す豆まきですね。では、オニを追い出すとやってくるものってなんでしょうか。この絵本では、オニの代わりにやってくる「あるもの」も登場します。
豆まきの意味をお子さんに説明する際にもおすすめの絵本です。

・まさに臨機応変!節分の日の「おにいっか」の対応に注目
 物語の要となる「おにいっか」の節分の日の過ごし方は、まさに臨機応変な対応といえます。
「変えられないものにどう対応するのか」という人生のコツも学べる一冊です。

おにのおにいさん

作者   さいとう しのぶ
出版社  ひさかたチャイルド
対象年齢 4歳〜

*内容・あらすじ*

「おにく」が大好きな「おにのおにいさん」は、おいしいステーキを食べるため、節分の日に町へと繰り出します。「おに」だとバレないよう人間に変装してきたものの、内心はビクビクです。「おにのおにいさん」は、無事に「おにく」を食べることができるでしょうか。

*感想・おすすめポイント*

・思わず口に出したくなる!文章に盛り込まれた言葉あそび
タイトルからも分かる通り、この絵本のキーワードは「おに」です。
文章全体に「おに」を使った言葉あそびが仕掛けられています。
ぜひお子さんと一緒に声に出して、リズムに乗って楽しんでみてください。

・探してみよう!絵の中に隠された「おに」と「節分」
文章に加えて、絵のほうにも仕掛けがあります。
さりげなく「おに」や「節分」に関係する要素が散りばめられているのです。
お子さんと一緒に絵をじっくりと見て、探してみてはいかがでしょうか。

・「おにのおにいさん」にとっての節分の日とは?
ビクビクする「おにのおにいさん」の様子にはおかしみがありますが、オニにとっての節分の日はなかなか大変そうにも思えます。
『視点を変えると見え方も変わる』ということに気づかせてくれる絵本です。

終始文章がリズミカルで、読んでいて楽しくなる絵本です。
ちょっとうっかり屋の「おにのおにいさん」は親しみやすく、かわいらしい絵で描かれているので、小さなお子さんでも怖がらずに読み進められると思います。

だいくとおにろく

再話   松居 直
絵    赤羽 末吉
出版社  福音館書店
対象年齢 4歳〜

*内容・あらすじ*

昔、あるところにとても流れの速い大きな川がありました。
何度、橋をかけても流されてしまうので、村人は困り果て、名高い大工に橋作りを依頼しました。

しかし、引き受けてはみたものの大工は心配になって、橋をかける場所を見に行きました。

すると、大きな鬼が現れて「おまえの目玉をよこしたら、橋をかけてやってもええぞ」と言います。
大工は「おれはどうでもよい」といい加減な返事をします。

ところが、次の日、川へ行ってみると橋が半分かかっています。
また次の日には橋が立派に出来上がっているではありませんか。

「めだまぁよこせっ」と迫る鬼から大工は逃げ出します。
その後ろから鬼が「俺の名前を当てれば、許してやってもええぞ」と怒鳴りました。

大工は目玉をとられてしまうのでしょうか?

*感想・おすすめポイント*

「大工とおにろく」は、岩手県丹沢の有名な昔話です。
様々な解釈をされ、受け継がれてきた有名な民話のひとつです。

そこに登場するのは、大きな鼻を持ち、ニタニタ笑う、いかにも強そうで怖い鬼です。
しかし、思い切りわざとらしく演じることで、子どもは面白く話を聞くことができるでしょう。

節分では鬼を豆でやっつけますが、「大工とおにろく」では知恵と運で鬼をやり込めます。

「力で敵わなくても、鬼を退治できる」ことが子どもの励みになります。

「大工と鬼六」は光村図書が発行した小学1年生の国語の教科書に載りました。

就学後には身を守る情報管理を知る役割も務めます。
現代では個人情報の管理が社会問題となっています。

そして、絵本の中のおにろくは名前を知られると消えてしまいます。

時代が違っても通じる面白さを感じてください。

ないた赤おに

作    浜田 廣介
絵    いもと ようこ
出版社  金の星社
対象年齢 5歳〜

*内容・あらすじ*

ある山に、優しく素直な赤おにが住んでいました。

赤おには「人間たちの仲間になって仲良く暮らしていきたいな」と思っていました。
そこで、赤おには人間が遊びに来てくれるように、家の戸口の前に木の札を立てました。
ところが、それを読んだ村人たちは「鬼が自分たちをだましてとって喰うつもりだ」と逃げていきました。

がっかりした赤おにのもとに、仲間の青おにが訪ねてきました。

話を聞いた青おには

「僕が麓の村でうんとこ暴れるから、きみは僕をポカポカ殴る。
そうすれば、人間たちは安心して遊びにやってくるんだよ」

と勧めます。

赤おには、すまないと思いながら、人間の家で暴れる青おにを打って追い出してしまいました。

青おにのおかげで、赤おにには人間の友だち仲間ができました。
しかし、その代償として、赤おには本当の友人を失ってしまったのです。

*感想・おすすめポイント*

作者の浜田廣介さんは、善意や思いやりの作品を多く遺しました。

本作には、悪者の鬼は登場しません。

主人公の優しい赤おには「できるだけ良い事ばかりしてみたい」と願う清い心の持ち主です。
青おには、そんな赤おにとの友情をとても大切にしていました。

赤おには「人間たちの仲間になりたい」と思いますが、人間たちは危険であろう鬼に近づくことができません。

悲しいことに、両者はただ友達になる事すら困難でした。

そこで青おには自分を犠牲にすることで、両者を引き合せました。

他に方法があったかもしれません。
しかし、理不尽を受け入れてまで相手の幸せを願う青おにの無償の愛と意志の強さは、読み手の心を揺さぶります。

オニの生活図鑑

作者   ヒサ クニヒコ
出版社  国土社
対象年齢 6歳〜

*内容・あらすじ*

大昔の日本には、オニの部族がたくさんいました。
遺跡の発掘などによって、当時のオニたちの暮らしぶりについてもいろいろとわかってきています。
細部まで描かれたイラストや詳しい解説を通して、「山オニ族」と「海オニ族」の生態を理解していきましょう。

*感想・おすすめポイント*

・違いを比べて楽しめる!「山オニ族」と「海オニ族」
 この図鑑では主に「山オニ族」と「海オニ族」について解説しています。
衣食住や性格など、部族間の違いを比べることで、よりオニの生態を理解しやすい構成になっています。
どんな違いがあるか、お子さんと一緒に具体的に挙げながら読み進めても楽しいでしょう。

・オニの生活をイメージできる!細部まで再現されたイラストの数々
 オニたちの住まいの様子や食べていた物など、オニの生活のすべてをイラストで再現しています。
オニたちの暮らしぶりがリアルにイメージでき、どこか人間のようなオニたちの様子に、親近感も湧いてくる図鑑です。

・「年に一度のお祭り」や「苦手なもの」などに節分の要素も?!
「2月3日のお祭り」「オニはなぜか豆が苦手」など、節分の日を思わせる解説も登場します。
オニの世界と人間の世界での節分の日の違いも比べてみてください。

絵や解説は細かな点まで具体的で、何度読んでも新しい発見のある絵本です。
名前に「オニ」とつく動植物についてなど、なるほどと思わせる解説も満載で、お子さんだけでなく大人が読んでも満足度の高い一冊だと思います。

今回は昔話やオニの視点に立った物語、図鑑などさまざまな形で「節分」や「オニ」について理解を深められる作品を紹介しました。

「節分の日」はたった一日のことですが、その一年の幸福を願い、節目ともなる日本の大切な行事です。

今回ご紹介した絵本を通して、伝統行事である「節分」をより楽しんでいただけたらうれしいです。

ヨミネミ
ヨミネミ

節分の日にしっかり邪気払いをして
新しい春を気持ち良く迎えよう〜★☆★

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