お正月に読みたい絵本10選!伝統行事や料理を学べるおすすめ絵本を紹介

お正月がテーマの絵本

年末年始が近づいてくると「もちつき」「お節料理」「初もうで」など、日本のお正月ならではの楽しいキーワードがたくさん思い浮かび、ワクワクしてきますね!
今回はそんな日本のお正月がさらに楽しくなるような、おすすめの絵本10冊をご紹介します。

ヨミィ
ヨミィ

お正月の遊びや料理について学べる絵本を紹介するよぅ

 

ネミィ
ネミィ

大人でも勉強になるよ。家族みんなで楽しめるよ

すいすいたこたこ

作・絵 とよた かずひこ
出版社 鈴木出版
対象年齢 2歳〜

★内容・あらすじ★

しんねん おめでとう
おしょうがつですよ、みなさん
しろくまさん一家とあざらしさん一家が、「すいすい たこたこ すいすい たこたこ たこたこ あがれ」と言いながら、楽しそうにたこあげをしています。

寒い国でのお正月遊びが始まりますよ。

★感想・おすすめポイント★

「すいすい たこたこ」という音のリズムが良くて、思わず口ずさみながら鼻歌を歌いたくなります。
可愛くて可笑しくて、読んでいる側も読んでもらうお子さんにも、ほっこりと笑顔が溢れる絵本です。

ぴーひゃらぴーひゃらどんどこどんどこ、とお囃子に乗ってライオンが獅子舞に扮して、周りに集まったみんなが踊る様子は、わいわいと賑やかで楽しそうです。

この絵本をお正月に読んだ後に、実りの多い一年を願いつつたこあげを楽しんで、日本の伝統に浸るのもいいと思います。

あけましておめでとう

作 中川 ひろたか
絵 村上 康成
出版社 童心社
対象年齢 3歳〜

★内容・あらすじ★

きょうは おしょうがつ。いちがつ ついたち。
いちねんの はじまりの ひ。
だから あけましておめでとう。

全てひらがなの短文で書かれている上、おぞうにを食べたり年賀状が届いたり、羽根つきや福笑いで遊んだり、子どもにとっての一大イベントであろうお年玉がもらえることも、絵を見れば簡単に分かるように描かれています。

★感想・おすすめポイント★

新しい年が明けて、大人も子どもも大半の人が初めて口にする言葉が「あけましておめでとう」ではないでしょうか。
この絵本には、たくさんの「あけましておめでとう」が詰まっていて、読めば正月行事で何をするのか一通り分かるようになっています。

お酒やみりんで生薬を漬け込んで作った薬草酒の一種であるおとそをお父さんから器に注いでもらって飲む子どもの様子を見れば、一緒に少しだけ大人になった気がして、ドキドキワクワクと特別な気分を味わえると思います。
お正月に何をするのか、小さなお子さんに教える時にはピッタリの導入絵本です。

おぞうにくらべ

作 宮野 聡子
出版社 講談社
対象年齢 3歳〜

★内容・あらすじ★

お正月にきみちゃんは、おじいちゃんとおばあちゃんの家に行きました。
「あけましておめでとうございます」と年始の挨拶をして、日本の伝統的な遊びをして、初詣にお参りしてから、色々なお雑煮に出会いました。
味や具材が異なる様々なお雑煮は、それぞれの家庭で受け継がれてきた大切な味です。

★感想・おすすめポイント★

柔らかで優しい絵柄の表紙を開いてまず現れる見返し(表紙の裏側)には、木製の木彫りのもの、漆塗りと思われる艶のあるもの、シンプルな伝統の器と思われるもの、といった具合に様々なお椀が色鮮やかにのっており、それだけでもう期待感が高まります。

ウラジロとユズリハ、橙などの飾りが付いた縦長のしめ縄飾りが玄関の正面に飾られ、門には簡易的な若松を使った門松が対に結びつけられていて、1ページ目から細かい描写でお正月の伝統が垣間見えます。

おとしだま、かるた、はねつき、こままわし、すごろく、はつもうで、と『お正月』が盛りだくさんに詰まっています。

お雑煮のお餅の形が丸だったり四角だったり、汁がしょうゆ味だったりみそ味だったり、入っている具がお魚やイクラがだったり野菜がだったり、と様々な違いのお雑煮があるということが分かります。

おばあちゃんとお母さんと一緒にお雑煮を作るきみちゃんはとても楽しそうで、幼い子も真似して作りたくなると思います。

全文がひらがなで書かれていて読みやすく日本の伝統と行事が細やかに描かれているので、お正月の読み聞かせにも最適の絵本です。

14ひきのもちつき

作者 いわむら かずお
出版社 童心社
対象年齢 3歳〜

★内容・あらすじ★

ある冬の朝、14ひきのねずみの一家はなにやらみんなで準備をしています。お米をたくさんふかしたり、うすときねを用意したりと、慌ただしいけどみんな笑顔でとっても楽しそうです。すべての準備が整ったら、さあ楽しいおもちつきのはじまりです!

★感想・おすすめポイント★

・昔ながらのもちつきを学べる
もち米を前日から水につけておいたり、うすときねを用意したりと、昔ながらのもちつきの一連の流れを理解できる内容になっています。この絵本を通してもちつきについて学んでみてはいかがでしょうか。

・探してたのしい!もちつきあるある
絵の細部まで楽しめるのが、このシリーズの醍醐味です。「しゃもじについたもち米をつまみ食いしている子」がいたり、「もちとり粉が顔についちゃってる子」がいたりと、おうちでのもちつきならではの「あるある」も描かれているので、ぜひ探して楽しんでみてください。

・子どもも大人も活躍できる家族のイベント
男の子、女の子、大きい子、小さい子、家族みんなに役割があり、全員がもちつきに参加しています。もちつきというイベントを通して、家族の成長やチームワークについても、深く考えさせられる絵本です。

もちつきの一日が、素朴な色合いのかわいらしい絵で、細部まで丁寧に描かれています。ページのほとんどが絵という構成なので、文字の読めない小さなお子さんとも、じっくり絵を見て楽しむことができます。また、文章もリズミカルで、読み聞かせも楽しい作品だと思います。

おせちいっかのおしょうがつ

作者 わたなべ あや
出版社 佼成出版社
対象年齢 3歳〜

★内容・あらすじ★

今日は大みそかです。あかねちゃんとしろうくんのおうちでも、新年を迎える準備をしています。重箱の中の「おせちいっか」も、新年に向けていろいろ忙しいみたいですよ。2つの家族の大みそかからお正月までの様子をちょっとだけ覗いてみましょう。

★感想・おすすめポイント★

・おせちのキャラクターたちで、おせち料理を学ぼう!
「くわいパパ」「だてまきママ」など、おせち料理のメニューが、かわいらしいキャラクターとして描かれています。本の見返しには、キャラクターとその元となったメニューの一覧も掲載されていて、おせち料理について学べる構成になっています。

・絵本の中の「隠れ縁起物」を探してみよう!
「一富士二鷹三茄子」をはじめとした、お正月の縁起物が絵の中に隠れています。さりげなく登場しているので、絵の隅々まで探して楽しんでみてください。絵だけでなく、登場人物の名前にも注目です。

・おうちで家族と過ごすお正月の楽しさ
料理の準備をしたり、初もうでに出かけたりと、2つの家族がそれぞれに過ごす、大みそかとお正月の情景を楽しむことができます。家族で過ごす日本のお正月の楽しさや豊かさを感じさせてくれる絵本です。

年末年始を家族で過ごす時間が、人間の世界と食べ物の世界を通して描かれています。ほのぼのとしたストーリーとかわいらしい絵で、小さなお子さんにおせち料理を紹介するのに、ぴったりの絵本だと思います。

しばわんこの和の行事えほん

作者 三浦 良枝
出版社 白泉社
対象年齢 3歳〜

★内容・あらすじ★

日本には一年を通して、季節を感じられる行事がたくさんあります。1月の「お正月」から12月の「クリスマス」まで、しばわんこたちと一緒に、楽しみながら季節の行事を学んでいきましょう。

★感想・おすすめポイント★

・3ページで楽しく学べる季節の行事
1月は「お正月」、2月は「節分」というように、ひと月に1つの行事を取り上げています。それぞれの紹介は3ページほどで、お子さんとも一緒に読みやすい分量です。しばわんこたちのかわいいイラストを通して、行事のポイントが理解できる構成になっています。

・日本の伝統のおりがみで季節を感じよう!
お正月には「こま」、節分には「おに」など、それぞれの季節や行事に関連する、おりがみの折り方を紹介しています。日本の伝統の遊びであるおりがみを、季節の行事と合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか。

・大人にとっての学びもいっぱい!行事食などの情報も
それぞれの行事の由来や行事食についてなど、くわしい情報も充実しています。たとえば1月なら、「お正月の由来」や「おせち料理・七草がゆの意味」といったように、大人にとっても勉強になる内容が盛り込まれている絵本です。

季節の行事の楽しみ方などが、優しいタッチのかわいらしい絵とともに紹介されていて、小さなお子さんでも、行事の内容をイメージしやすくなっています。行事の由来などの解説も充実していて、新たな発見もたくさんあり、大人と子供が一緒に楽しめる絵本だと思います。

おしょうがつおめでとうはじまりの日!

作 ますだ ゆうこ
絵 たもと みちこ
出版社 文溪堂
対象年齢 4歳〜

★内容・あらすじ★

一年のしめくくりである大晦日、こねこのみ~みはいつもと違う家のにぎやかさに興味しんしんです。親戚が集まって年越しそばを食べた後、神社に行って鈴を鳴らして手を合わせる家族の姿を見て「へんなの」と言うと、神社に住む年寄りねこが「ことしも よいとしになるように おいのりしてるんじゃよ」と教えてくれました。

★感想・おすすめポイント★

お正月でする行事の全般を網羅しているような内容になっていて、大人でも、そうだったんだ、と思うことがたくさんのっていて勉強になります。
お雑煮は日本各地によって具材や味が違うことも分かって面白いです。

初詣や門松、お雑煮やお節料理、はねつき、タコあげ、カルタ、福笑いといった遊びについて、伝統文化や行事の由来などが分かりやすく書かれていて、読み終わった頃には自然とお正月にまつわる様々な知識がついていること間違いなしです。

巻末では、料理のレシピや世界のお正月についても触れられています。

特にお節料理については、商売繁盛や長寿・子孫繁栄などの様々な願いが込められていることが詳しくのっています。

本文はひらがなで、説明などには総ルビが振ってあるので子どもだけでも読めます。

おもちのきもち

作 かがくい ひろし
出版社 講談社
対象年齢 5歳〜

★内容・あらすじ★

「もう、たいへんなんです」

おもちにも、いろいろと悩みがあるようです。

ペッタンペッタン あたまをたたかれ、きょうだいたちは のしぼうでペッタンコに のばされ、プッチンと ちぎられて……。あげくのはてに あんこや きなこを つけられたりして ペロリと にんげんに たべられてしまうんです。

散々な目にあう兄弟たちを見て、床の間に飾られた『かがみもち』は決心をしました。

★感想・おすすめポイント★

赤ちゃん絵本で断然トップを誇るだるまさんシリーズで大人気のかがくい先生らしい温かいタッチと色合いの絵で、和んでしまうユーモア溢れるお話です。

おもちに感情移入してしまって、思わずふふっと笑ってしまいます。

ペッタンペッタン、ビロンビロンビローン、フンゴフンゴ、ゴックン
といった、たくさんの擬音語(オノマトペ)が使われていて、字を読めない小さなお子さんでも音を聴いて耳で楽しめます。
擬音語(オノマトペ)によってとてもリズミカルに話が進んでいて、かがみもちが走る様子には謎の疾走感すら生まれています。

いずれは自分が人間に食べられてしまうかもしれない、と怖くなって逃げ出した筈なのに、結末がどうなったかというと……。
そうきたか、と笑ってしまうこと間違いなしです。

十二支のはじまり

文・絵 いもと ようこ
出版社 金の星社
対象年齢 5歳〜

★内容・あらすじ★

十二支は
ねずみ、うし、とら、うさぎ、たつ、へび、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、いのしし
と12種類の動物が決められています。

その干支の動物をどうやって決めたのか見ていきましょう。

むかしむかし、神様が動物たちを集めて「正月一日の朝、御殿に来たものから順番に、十二番までをその年の大将にしよう」と言いました。

動物たちはみんな自分こそが一番のりをするのだと張り切ります。

★感想・おすすめポイント★

どうして干支の動物の中には猫がいないんだろう?と、一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
新しい知識を吸収する子どもと一緒に、何となく放置していた疑問の答えを知って、大人もスッキリしちゃえます。

「十二支ってなに?」とお子さんに訊かれたら、なかなか直ぐには答えられないと思いますが、昔話にしては絵柄が可愛らしいこの絵本を一緒に読めば、その質問に自信をもって答えられるようになると思います。
猫がねずみを追いかける理由も分かります。

可愛いからこそ、ねずみのずる賢さが際立っていて、出し抜かれた猫が可哀想に思えて、ズルイよー!と感じてしまうかもしれませんが、それはご愛嬌というところでしょうか。
自分が選ばれるためにわざとウソを教えたねずみの姿を見つけると、猫が追いかけるようになった、といわれるのもそれからです。

読み聞かせにもぴったりの十二支の由来が簡潔に分かる絵本です。

しめかざり

文・絵 森 須磨子
出版社 講談社
対象年齢 8歳〜

★内容・あらすじ★

年神様を迎えるために家の門や玄関に飾るしめかざりはワラでできています。
昔はお米がたくさん実ることが人びとの願いでした。だから、お米を守ってくれたワラを使ってしめかざりを作るようになりました。
その材料にする稲は青刈りと呼ばれる1メートル以上の長さがある特別な種類で、お正月を迎えるために真夏に青い稲を収穫して、温度と湿度を保った暗い部屋で大切に保管しているのです。
そのようにして願いが込められた日本各地のしめかざりを見ていきましょう。

★感想・おすすめポイント★

かなり細かい描写で描かれたしめかざりの絵は、質感すらも感じ取ることができそうなほどの造形が素晴らしくて圧巻です。

作り方や付いている飾りの意味についても詳しく書かれていて、実際にお正月にしめ飾りを作る人にもオススメできる実用書になりえる本です。
ワラだけで作られているとは思えない様々な形のしめかざりは、日本の地域によっても異なり、俵、鶴、亀、ゃくし、馬、宝珠、蛇といった豊富な種類があるようです。
それらには、豊作、健康と長寿、福をすくい取る、神様の乗り物、縁起が良いもの、という具合に、人びとの色々な願いが込められていることを知ることができます。

様々な形があるので、見応えがあって眺めているだけでも面白いですよ。

お正月が過ぎた後のしめかざりをどうするかも載っています。

絵本を楽しみながら読み終えた頃には、いつの間にか伝統と行事を覚えてしまっていて、ちょっとしたお正月博士になれるものばかりです。
お正月にする事はすべて、年神様をお迎えしてたくさんの幸せを授けてもらうための人々の願いが込められている、ということが分かります。

年末年始は何かと慌ただしいものですが、ゆっくりと一年を振り返り、家族と過ごす大切な時間でもあります。

今回ご紹介した絵本とともに、その時間をより楽しく過ごしていただけたらうれしいです。

ヨミネミ
ヨミネミ

今回紹介した絵本を読んで、いつもより楽しいお正月を過ごしてくれたら
うれしいなぁ〜★☆★

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